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2012年11月30日金曜日

昔の柄  彩色終了

11月はずっと休みなしで仕事に集中していました。
無理かとあせっていた彩色もぴったり予定通り今日終了し、明日染屋さんに持って行きます。
年内に納まるように、前から頼んでおいたので、間に合いそう。
ホッとしています。




まだ地色が入っていない状態で、糸目糊もついているので、輪郭がはっきりしています。
彩色終了時って、だいたいこんな感じで、生地も伸子針を張っているのでゆがんでいます。(直線も柄の形もゆがみますね)

この後、蒸して、柄の部分を糊伏せして(防染)地色を染めて、蒸して、水につけて糊や余分な染料を洗い流し(水元)、湯のしして、染め上がり。
これは訪問着なので、仮絵羽(仮仕立て)して着物の形にして終了。
文字に書くと長いですね。

部分図を見ても、どうなっているのかわかりません。
昔の着物は大胆で、無謀なこといっぱいしています。(一般的な着物柄じゃないよなぁ)
今はこんな柄描けない。(依頼された仕事だけれど、作ってよかったのかどうかもよくわからない)

でも、いろいろ考えるいい契機になりました。(小さくまとまりすぎるな。って言われているようで・・・)
もう1枚。昔の柄を作ります。
しっかり丁寧に、初心に帰って楽しみたいと思います。

2012年11月28日水曜日

西陣織帯生地 「菊」

太鼓柄


ちょっと角度を変えたらうまく撮れるかなぁ


前柄(斜めから・・)

金糸銀糸がグラデーションのように流水の形に入った帯生地。
かなりキラキラしていたので、同系色の芥子色に染めました。
すると、芥子色というよりは全体的に金色になり、よけいにキラキラ感が増したようです。
彩色も思ったように色が出てくれなくて、少し空いた時間にでも、墨で修整してみようかなと思っています。

それにしても光る生地は色がうまく出ません。
写真では地色はベージュっぽく白く見えますが、実際は金色です。

染めでキラキラしていたら、ちょっと中途半端で使いにくいかもしれないなぁ。
柄が礼装用ではないし、・・・。
光沢の強い生地の場合、それに負けない重みのある柄にした方がいいみたい。

2012年11月27日火曜日

西陣織帯生地 「ひなげし」

太鼓柄

前柄
(中央で折り曲げます)

昨日染め上がってきた帯の中で、仕事依頼の分とは別に、手持ちの変わった生地で(西陣織銀糸入り)染具合を試した帯です。

銀糸の入った生地なので、光って柄色がうまく写真にうつりません。
どうしたら、雰囲気のいい写真が撮れるのやら・・・。
染めの色を出すのは難しい。
ちなみに、地色は、白地に近いうすーいうすーいピンクです。(わからないなぁ)


ちょっと斜めから柄アップで・・・
雰囲気出るかな。


今回、試しに2本染めたので、明日、もう1本の別生地・別柄を紹介します。

「光媒の花」 道尾秀介著


「光媒の花」 
道尾秀介著
集英社文庫

長編・短編 活字は大好きですが、「連作短編集」という形式に弱いようです。
6篇からなる短編集で、前の話の中に出てきた脇役が次の話の主役になるという形をとっています。
文章がとても簡潔ですっきりしていて読みやすく、1話ごとにきれいにまとまっていて、ミステリー要素もあり、気持ちがいい。
とても好きな文章です。

でも、ちょっとだけ、説明が多いかなぁ。
前の話の出来事の後日談をさりげなく次の話の中に入れていて、「そこに落ち着いてしまったか」「結末が分からない方がいろいろに想像できておもしろいのになぁ」とか、思ってしまいます。
そして、最後の6話目で、1話目の主人公が出てきて、循環します。
これは、小さい地域内で丸く完結してしまっているようで、ちょっと「あれっ」。
丸く完結してしまうと、小さいサークルの中で殺人事件が2つ(3つ?)もあるのかと、難癖つけたくなって・・・。

でも、そういった不満を抜きにして、やっぱり気持ちのいい文章・本です。
作者の別の話を読んでみたくなりました。
しばらく、はまりそう。

2012年11月26日月曜日

染帯の仕上がり


今日は、少し前に彩色を終了した染帯6本と簡単な紬付下げ柄2反が染め上がってきました。

上の写真は、お仕事で依頼された大島紬地の染帯4本。
はっきりした写真を載せていいのかよくわからないので、ちょっと乱雑に撮りました。
地色は濃い色の指定ということで、他は任せていただいたのですが、暖色系統がなかったなぁ。
寒色やグレーの方が柄が締まるので、偏ってしまいました。
濃い臙脂色や渋めの朱、茶色とかもよかったかも。

とても使いやすい地色に染まったので、ホッとしています。
染め上がった時がやっぱり一番うれしいですね。

2012年11月25日日曜日

次郎柿



今日、宅急便で「次郎柿」が送られて来ました。
ご自宅に柿の木があるそうです。

小さいもの・大きいもの、大きさはまちまちですが、どれも艶々と光っています。
ちょっとまだ硬いかな。
さっそく1ついただきました。
しっかり熟して甘みの増した柔らかい柿も美味しいけれど、どちらかというと、固めの控えめ甘さが好きですね。(おいしい~)





甘柿(富有、次郎、江戸一、御所 等)、
渋柿(西条、平核無 等)

スーパーで売っている富有柿と次郎柿の区別つかないなぁ。
江戸一、御所  って聞いたことない・・。
渋柿の 西条、平核無 もよくわかりません。


柿の花
5月頃、あまり目立たない花をつける。

5月下旬から6月初め頃、終わりかけになると、ボトボトッと音をたてて地面に落ちる。

秋の紅葉
「赤」い葉と

「黄」色(オレンジ色?)の実


「おりたちて 今朝の寒さを 驚きぬ 露しとしとと 柿の落葉深く」
伊藤左千夫


柿については、こちらのページが詳しく載っていました。
本当にいろいろ種類があるなぁ。http://www.kudamononavi.com/zukan/persimmon.htm



2012年11月23日金曜日

今日の猫

勤労感謝の日。

一日、彩色でした。
仕事ができることに感謝。
特に何もないけれど平和な一日に感謝。
(でも、本を読んだり、出かけたりする時間もなくて・・・ありがたいけれど・・・)

特に話題もないので、今日は猫の写真で・・


久しぶりに大猿ジョージ君とヨナのツーショット

ファンヒーターの電源を入れると、ちょうど階段の中ほどが一番暖かいようです。
並んで、長い尻尾をたれていました。
ぬいぐるみ?



ヒナ・・いつものポーズ
こちらも暖かい場所ではお腹を見せています。
この手と足・・・かわいい



2012年11月21日水曜日

「嫌い」って・・?

数年前まで、仕事中ずっとFMラジオをBGMに流していました。
パーソナリティーの声や流行の音楽、おもしろい話に耳を傾け、ラジオからいろいろ情報を貰っていた気がします。

だいたい仕事に集中しているので、音は右の耳から左の耳へと通り過ぎていきます。
そんな中で、好きな音楽や声が耳に止まると、メモ書きしてCD買ったりしていました。

この前書きましたが、「好きな物」って、気になって通り過ぎませんね。
そして、大半が通り過ぎる音の洪水の中で、やっぱり「嫌い」も通り過ぎないんです。
「ああ、この声嫌い。」「この歌い方嫌い」って、思ったら、記憶したくないのに歌手の名前まで覚えてしまう。
店舗で流れていたら、すぐに「嫌い」って反応してしまう。
どこで、どんな音楽が流れていても、なにも感じないものはさっと流れて記憶に残らないのに・・・。

「ああ、これ大嫌い。」っていつも言っていたら、
息子に「そんなちょっとのフレーズでよく声わかるよねぇ。本当は感心あるんじゃない?好きなんじゃない?」って言われてしまいました。

これだけはっきり記憶されるっていうのは、「好き?」 「嫌い?」
とにかく、わたしにとってインパクトがあるってことでしょうね。
好きも嫌いも、人の記憶に残ることが大事?だったりして・・・。(でも、やっぱり嫌いなんだけれど・・・)




 東京に行っている娘が送ってきた写真
スカイツリーのライトアップ(綺麗?)


少し前から咲き始めたサフラン

2012年11月19日月曜日

素敵なDM

今日は夕方頃までとてもいいお天気でした。
5時過ぎから雨。
最近の天気予報、よく当たります。

午前中、糊屋さんに行きました。(友禅の糸目糊をわけてもらいに)
糊屋さんは私の家から車で20分ぐらい。
少し郊外にあって、お天気のいい日はとても気持ちいいドライブです。

車のガラス越しに撮った写真
光が反射して、不思議な色合い
(普通の写真ですが・・)

こちらも車の中から糊屋さん
(普通の写真ですが・・)

銀杏の黄色い葉がかなり落ちて舞っていたり、柿の木があったり、四季を感じる場所です。
開けた場所に太陽の光がうれしい。

気持ちよく帰ってきたら、ポストにとても素敵なDMが入っていました。



「これからと暮らす」展  Vol.2
2012年11月23日(金・祝)~12月2日(日)
Art and Antique MASA ×matohu

matohu表参道本店 でのイベント・展示のようです。
東京は遠くて行けないけれど、matohuが気になるので、展示などの案内を依頼したら、さっそくDMが届きました。

うーん。綺麗。
形の綺麗な器や、ガラス瓶、欲しいなぁ。

お近くで興味をもたれた方、一度覗いて見てください。
(行った方の感想いただけたらうれしい)


「これからと暮らす」展で調べたら、別の写真も出てきました。


どんな雰囲気なんだろう。

敷居高いかなぁ・・。









2012年11月18日日曜日

オークションで買った帯 楠目ちづさんの着物

2ヶ月程前(時間感覚がずれているので大体そのぐらい前)、どうしても欲しくて、オークションで着物と帯を落札しました。

着物は今自分の寸法用に仕立て直しに出しているので、今日は帯を紹介します。
落札した時、紹介したかなぁ。(記憶があいまいなので重複していたらすみません)


太鼓柄

前柄

白地の塩瀬、名古屋帯です。


染めの着物や帯は、自分で染めることができるので、オークション等で買うことはほとんどありません。
でも時々、色の組み合わせやデザインなどの参考に買わないけれど覗いています。
そんな中で見つけたのがこの染帯と、同一作者のサインのある着物。
帯はスイートピーかなぁ、ちょっとわかりませんが、小さい写真が目に付いて、柄も配置も気になって気になって・・・。
これ、実物観てみたい。逃したら後悔するかもと、かなり強気でがんばりました。(お金が山ほどあればドキドキしなくて済むのですが・・・貧乏人なので・・・)

手に入れることができて、品物を観て、本当に無理してよかったと感激しました。
娘に「これ、いいでしょう・・」って見せびらかすと、
「お母さんが作ったカトレアの帯に雰囲気似ているよぉ」
その後、
「でも、お母さんのより、すっきりしてシャープでいい感じ・・」(どうせ・・・)


ちなみに私のカトレア帯
(実物の色はもう少し落ち着いた色ですが・・)
確かに並べるんじゃなかったかも・・・



さて、この帯の作者の「ちづ」さんですが、勝手に「楠目ちづ」さんに違いないと思っています。


スクラップ帳を見ると、また同じ物をスクラップしている。とか、同じページをコピーしているとか、よく、よく、あります。

10年以上前(もしかして20年ぐらい前)の着物雑誌「きものサロン」で何度も重複してスクラップしている「楠目ちづ」さんの着物。


彼女がどういう方か詳しくはわかりませんが、切り抜いたページによると、

いけばなの先生で、「むらさき会」という独自の流派を作られたようです。
お手紙に自作の押し花をさり気なく添えるそう。
その押し花に感動した方がたくさんいて、その一人デパートの呉服担当者がその押し花を模して着物を作らせ、「楠目ちづ」の着物としたらしい。(着物のデザインと色の指定・監修を楠目ちづさんがした着物)


着物サロンのスクラップより

線描き(押し花の形を線のみで表現)

染めや線で表現したり、刺繍で表現したり



 ちづさんの押し花

そして、活けられた花

昔、何度も目に留まり、今、20年近くたって、先入観なしにやっぱり目に留まる。
「好き」って、こんなものかもしれません。
ちなみに、着物には「三越」のタグがついていました。

特に変わったことないのですが・・・

北陸は11月に入ってからずっとどんよりした天気です。
一昨日、久しぶりに1日晴れ間が出て、気持ちも明るくなったのもその日だけ。
昨日はまた雨の日に戻ってしまいました。

ここのところずっと、仕事に追われていて、ほとんど外に出ることもなく、世の中の流れも分厚い壁を隔てています。


先日21美でmatohuの展示を観て以来、ちょっとだけ沈んだ気分。

よく、「継続は力なり」などと言います。
ずっと一つのことを続けていると、器用不器用・時間的な差はあれ、それなりに経験を積んで技術的にうまくなっていきます。
ずっとあきらめずに根気よく続けていくこともまた一種の才能かもしれません。(辞めたいと思うことよくありますから)

でも、継続することって、そんなに偉い事なのかなぁ。
私は、友禅を続けて30年近くなりますが、すごく意欲的な展示・コンセプトのはっきりした斬新な展示を観ると、「私、何していたんだろう・・・」って、なさけなくなります。

継続することは力(技術)つくけれど、物を作る上で必要なことって、何を表現したいかという意思や密度ある集中力の気がします。
いい作品を観ると、自分の勉強不足や発想力の無さにちょっとだけ落ち込みます。

もっといい物を偏見を持たずにたくさん観て、深く考えずに楽しもう・・・。
そんな風に部屋にこもりながら思うこの頃です。



娘から送られてきた写真



昨日のホワイトボード
理系受験生の息子の憂鬱・・・。
心情は・・・「日本史なんとかしてくれぇ・・・」

それにしても下手な字。(人のこと言えませんが・・)
「読み易い字と言ってくれ」と、胸張っています。

2012年11月15日木曜日

昔作った着物  「山芍薬」

2日前に続き、昔の着物写真その2です。



平成15年制作「山芍薬(やましゃくやく)」

一昨日の「椿」よりさらに2年前、9年前の作品です。

上の方が実物よりも濃く、下の方が実物よりも薄く写っています。
上から下へ、薄い水色グレーから紫がかったグレーのグラデーションになっています。
格子の中の地色を部分的に変えて、山芍薬の蕾、花、咲き終わり、実、を描いています。

これは、衣桁に掛けて見栄えのする着物です。
色を柔らかく抑えているので、見た目ほど、着にくい着物ではないと思いますが、好き嫌いが出るでしょうね。


「椿」の着物の作りなおしの後、この着物も1枚作ります。


今まで作った着物は、写真を撮っていないものが多いのですが、残っている写真を時々、ブログに載せていこうと思います。

作ってすぐには自分の作品を客観的にみることができません。
依頼があって、昔の2枚を取り出してみて、やっぱり客観的に見れませんが、時間を置くこと、距離を置くことの、大切さを実感しています。
いいものが作りたい。


2012年11月14日水曜日

夕飯は・・・

今日の金沢、荒れています。
朝からピカッ・ゴロゴロ・ドーン、と、すごい雷・雨。
日中は、バシバシ窓をたたくあられ。
雨もみぞれ混じりだったかも・・。
うるさいお天気です。



スーパーで、弱弱しく動いている甲箱がにと、眼が合ってしまいました。
今から、塩茹でします。




今日は気温も下がって寒い?、雷怖い? 二匹丸くぴったりくっついています。
並ぶと大きさの違いが・・・。

雷のひどい日はしょっちゅう「キュッ」って音とともに瞬停するので、パソコンはつけないので正解かも・・・。

2012年11月13日火曜日

昔作った着物

ずっと長く着物を作っていると、その時々で着物に対する想いが変わってきます。

独立したての頃は、とにかくたくさん柄を描きたかった。(実は今でもあまり変わっていない・・)
染めることは好きだけれど、私自身「着る」ことに無頓着で、お洒落とは縁がなかったので(今でも変わっていない)、着ることよりも、「綺麗な着物を染める」「観て楽しみたい」が優先していました。
もちろん、着姿を無視するわけではなく、着て美しく、観て美しくが目標でした。
だから、隠れてしまう所にも、たくさん柄を描いていました。
隠れてしまうのだから、描いてもいいでしょ。って感じで・・・。

着物の着付けを習いに行って、自分で着物が着られるようになったのは、独立してからずいぶんたった頃。(遅すぎ・・)
自分で着てみると、「隠れてしまう部分に描いてもいいでしょ」と描いた柄が、うまく出ればいいのですが、身長・体型によっては、中途半端に出てしまう可能性があることがわかり、「描かない方が綺麗だなぁ」と思い始めました。

そして、長く続く不況で、着物離れがますます進み、「高価な友禅は、着て行く場所がない」と、「重い柄(総柄や柄の多い着物)はコストがかかる」と、どんどん作られなくなりました。
私の思いも、観ることから着ることを最優先するようになって、「重い柄の訪問着はお洒落じゃないよなぁ」になっていて、ここ数年、柄の多い訪問着はまったく作っていませんでした。

最近の加賀友禅は、本当にポイント柄の簡単な柄が多いです。
地色のぼかしなどで、訪問着と銘打っていますが、付下げですね。
付下げは、しっかり着姿の綺麗なポイントを押さえているので、着ると素敵ですが、衣桁に飾ると柄がなくてつまらない。
まとまりすぎていて面白みに欠ける。

最近、少し思うことは、「若い人には、思い切って大胆な柄でもいいんじゃないだろうか」です。「柄・柄・柄の着物もいいんじゃないかなぁ。」
年配には多い柄はいいと思いませんが・・。
「またたくさん柄を描きたい。隠れてしまっても飾って綺麗な柄を描きたい」
そんな昔の想いがちょっと戻ってきました。

最近、そんな私の気持ちに合わせてくれたかのように、昔作った柄をもう一度作って欲しいと依頼がありました。


「椿」


以前に作った柄は下図や作った時の記録を残しているので、そのままなぞれば理屈では同じものができます。
でも、どういうわけか、初めて作った時の勢いや「ああしよう、こうしよう」と迷いも含めた制作の思いを忘れていることがあって、最初よりいい物がてきないことが多いです。
この着物は確実に5年以上は前です。10年近く前かもしれない。
制作の思いも、作り方も今とはずいぶん違います。
幾何学模様と色の変化とに凝っていた時期のものだから、かなり大胆です。(写真ではうまく写っていませんが・・・)
こんな、大胆なもの作っていたんだなぁ(無謀なもの作っていたんだなぁ)

小さく見えますが花もかなり大きめで、形も雑。
着ることを最優先させている今の私に、同じ大胆なものが作れるのかどうか・・・。実はかなり不安があります。
「本当に作っていいのだろうか?」
それでも、「染めること・作ること」を再考するように言われているようで、どこかでちょっとワクワクしているのです。

昨日から、下図を写しなおす作業を始めました。
同じ下図をそのまま生地に描けばいいのでしょうが、少し変えてもいいと許可をもらっているので、基本的なところはまったく変えず、花の形を整えたり、昔の制作意図を思い出したり、の下図描き直しです。
当時の私と対面しているようで、なんとなく変な気分。

無駄な線・柄、いっぱい描きます。(楽しみます)
前よりいいのが出来上がりますように。(重い柄・若い人向けの派手目の着物依頼に感謝・・・)

追記・・・調べてみたら、平成17年でした。今から7年前。




 友人が送ってくれた猫画像。
友人家の猫君たち。
連絡があるたびに、数が増えているような・・・・。
現在、5匹。(うちのヨナ・ヒナちゃんみたいのがいつの間にか増えているなぁ)

2012年11月12日月曜日

11月の柄・モチーフ小物

11月の柄・モチーフ小物

松毬(まつぼっくり)・茸(きのこ)・銀杏(いちょう)・吹き寄せ・枯木立・山茶花(さざんか)
竜田川(たつたがわ)・狸・酉の市(とりのいち)・鹿・落ち葉焚き


松毬(まつぼっくり)

松毬(まつぼっくり)・松笠(まつかさ)・・形のおもしろさから、松を描く際に添えられたり、吹き寄せ風に描かれたりする。
家紋にも多く見られる。



松毬模様の家紋


茸(きのこ)


銀杏(いちょう)

もみじには、紅葉(こうよう)・黄葉(おうよう)・褐葉(かつよう)する葉がある。
黄葉(おうよう)の代表格が銀杏。
「銀杏黄葉(いちょうもみじ)」は秋の季語。
髪型の名称・・・大銀杏(おおいちょう・・力士の髪型)・銀杏返し(いちょうがえし・・女性の髪型)


銀杏デザインした家紋は多数



吹き寄せ(ふきよせ)


紅葉・銀杏・蔦・菊花・松葉・松毬・団栗・梅など、さまざまな落ち葉や落花が、風に吹き寄せられた様子を描いた文様。
秋のモチーフのみの場合は、晩秋に。
梅が入ると、1月中旬~2月上旬に。
梅・桜もいっしょに使うと、季節関係なく四季の模様。


山茶花(さざんか)

椿はぽとりと花が落ちるが、山茶花は花びらがはらはらと散る。

うちの山茶花は一番早い品種は10月の中頃から咲き出しました。


竜田川(たつたがわ)



ちはやぶる 神世も聞かず たつた河 韓紅に 水くくるとは(在原業平)
竜田河 紅葉乱れて ながるめり わたらば錦 中やたえなむ

から、「流水に紅葉}の柄のことを「竜田川」と呼ぶ。


狸・酉の市・鹿・落ち葉焚き



2012年11月11日日曜日

10月の柄・モチーフ小物

11月になって10日過ぎてしまいました。
10月に柄をまとめられなかったので、ちょっとずれましたが今日10月分をまとめて、明日11月をまとめます。

10月の柄
石榴(ざくろ)・柿・栗・葡萄・烏瓜(からすうり)・落花生(らっかせい)・秋茱萸(あきぐみ)・稲穂
鶉(うずら)・団栗(どんぐり)・紅葉・栗鼠(りす)


石榴(石榴)


 左・・・石榴の花
右・・・実



 「吉祥果」とも言われる石榴は、無数の種子をつけることから、豊穣・多産・子孫繁栄の象徴とされる。
吉祥紋の一つに蕾と葉のついた蔓で構成した石榴唐草もある。



艶々と輝くような果実は、「照柿(てりがき)」・「洗い柿」など色の名称に多く用いられる。
柿渋は染料や防水・防腐剤に使われる。




葡萄(ぶどう)


豊かな実をつけ、蔓性植物なのでどんどん広がっていくことから、生命と豊穣、子孫繁栄を意味する吉祥文の一つ。
栗鼠と組み合わせた葡萄栗鼠文もあり、家紋にも、「下り葡萄」・「葡萄枝丸」などがある。


左・・・葡萄枝丸
右・・・下り葡萄


烏瓜(からすうり)


左・・・花
右・・・実

赤く色づいた楕円形の実を、烏などの鳥類が好んで食べることから「烏瓜」という。
種子の形が打ち出の小槌に似ていることから、財布に入れておくとお金が貯まるという言い伝えもある。


落花生(らっかせい)

花が落ちた後に茎が伸びて地面に刺さり、地中に実がなることから、名がついた。


秋茱萸(あきぐみ)

透き通るような赤い実が美しい。
4月や6~7月に実をつけるものもあるので、春~秋の間使えるモチーフ。


稲穂(いなほ)


稲は、古くから家紋に多く使用される。
稲束(いなづか)や稲架(ほざ)など刈り取られた稲穂は、深まりつつある秋の意匠。
稲にちなんで、「雀(すずめ)」・「鳴子(なるこ)」・「案山子(かかし)」もこの季節のモチーフ。
「稲波文」(実った稲穂が波打つさまを描く)
「稲束(いなづか)」「稲の丸」(束ねた稲を表す)


鶉(うずら)
団栗(どんぐり)


紅葉(もみじ)


楓の葉が紅葉したものをもみじという。
鹿をあしらったもの。波や流水、菊の折れ枝を添えたりした情趣あふれる模様が多い。

2012年11月8日木曜日

まんまる

今日も午前中、雷と雨。
午後から晴れ間も見えたけれど、夕方また雨。

1日ずっと彩色で、今日は一歩も外に出ませんでした。
明日もかなぁ。


猫も一日この調子

2012年11月7日水曜日

染帯の彩色

昨日今日と、お天気が荒れています。
雨といっしょに雷が鳴っています。
北陸の冬は雷といっしょにやってきます。
このまま寒くなっていくのかなぁ。

最近ずっとお仕事で、染帯の彩色をしています。
ブログでアップすることはできないのですが、ついでに1~2枚自分の生地を彩色したので、そちらを少しだけ紹介します。

彩色終了状態


生地

西陣織の帯白生地を何本か買ったうちの1枚です。
金糸銀糸で、流線模様が全体に入った生地で、かなりきらきらしています。

ちょっとくせのある生地なのでどんな図柄がいいか迷いました。
この流線に添うようにそして、反発するように、菊の枝を左側に寄せて配置。
そして、最近お気に入りの古典柄の菊花を飛ばす。
しっかりした色を入れようか、色をかなり抑えてしぶく仕上げようか・・・。
結局色を控えて、柄を抑えて・・・。(抑えきれていない・・)

他の帯の彩色が終われば、いっしょに染屋さんに持って行きます。
地色はからし色系統にする予定。
うまくいくかなぁ。
染め上がりはたぶん12月初め頃でしょう。

染め上がったら、帯を締めたらどんな感じになるかまた写真撮ります。

2012年11月6日火曜日

「竜のかわいい七つの子」

娘からのメール「九井さん、新刊出た」
私のメール「お母さん買う? Yちゃん買う?」
娘のメール「母さん買う」

うちの家族はメールのやり取りがほとんどありません。
必要事項のみ。
本当にそっけない。

それで、すぐに本屋さんに行って買ってきました。


九井諒子作品集
「竜のかわいい七つの子」
エンターブレイン 発行

九井さんは、ネット上で娘が好きで読んでいた作家さんです。

ちょうど1年ぐらい前にはじめての単行本が出ました。
その時のブログ
http://sorakara11.blogspot.jp/2011/10/blog-post_14.html

ファンタジーなのですが、何が出てくるのやら、異質な生き物が普通に共存していて、何と何がどういう形で接点をもつのか、やさしくかわいくおもしろい。

この作家さん、大好きです。


最近は、私の情報収集のアンテナがさびついていて、子供たちから教えてもらうことの方が多くなりました。
もちろん、ジェネレーションギャップは大きく、「どこがいいのかわからん」の連発ですが・・・(特に息子からの情報)

いろいろ意見を聞かれる時に、
「お母さんの若い頃はこうだった・・」とか
「昔はね・・」とか、言いたくはありませんね。
説教口調になるのもいや。
だから、昔のことは聞かないで。
自分の都合のいいようにしか覚えてないのだから・・・。

ちょっと話がずれました。


追加

2~3日前に紹介した、21美のmatohuのブログが更新されていました。

http://blog.nuanpress.jp/matohu/2012/11/06/making-of-『日本の眼』展-in-金沢21世紀美術館%E3%80%80vol-1/

展示までの経緯が細かく書かれていて、おもしろい。
興味ある方は是非ご覧下さい。