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2011年11月30日水曜日

染帯の彩色

今日、染帯の彩色が2本終了しました。
明日、染屋さんに持って行って、地色を染めてもらいます。
今年中に染め上がってくる予定。


山帰来(サルトリイバラ)
左  太鼓柄
右  前柄


左  太鼓柄
右  前柄

地色はどちらも黒に近い墨色です。
(微妙に色目が違う墨色)

縮緬地はだいたい仕上がりの雰囲気がわかるのですが、西陣織の方は、どの程度金糸銀糸が出るか、彩色の色がどの程度落ちるか(薄くなるか)ちょっと予測できません。
無難なところでいくと、地色を薄くすれば失敗することはないと思いますが、濃い地色の金銀の出方を今回は試してみます。
おもしろい効果がでればいいのですが・・・。

上の写真は、どちらも糸目がついた状態なので、出来上がりは違ってきます。
綺麗に染まりますように。
素敵な帯になりますように。

2011年11月29日火曜日

万両 薮柑子 庭の実

赤くなりかけの万両の実


千両・万両 どちらも似たような赤い実をつけるので、見分け方を調べてみました。

                 
千両は葉の上の方に上向きに実をつける。 
万両は葉の下に垂れ下がって実をつける。。 
 
千両の方がなよなよっとした感じの茎。

千両の葉は、ふちに鋭い切れ込みがあるが波打たない。
万両の葉は互生し、ふちが強く波打つ。

上の写真は庭の万両です。
本によると約1mぐらいの低木ですが、うちのはもっと小さいです。
真っ赤になるにはもう少しかな。

万両はウサギの眼もち赤きかな  千代女



千両・万両の他に
百両  別名  「唐橘(からたちばな)」。   
十両  別名  「薮柑子(やぶこうじ)」。   


薮柑子(やぶこうじ)


少し前にも紹介しました薮柑子(やぶこうじ)です。
別名十両って言うんですね。(知らなかった)

庭の貧弱な薮柑子もちょっと赤くしっかりしてきたかな。
本当に低い木で、高さ10~30cmぐらいしかないんですよ。
葉は、1、2段に輪生します。


上の図は、薮柑子を半襟の柄にしようと思って描いた下図です。
あんまりおもしろくなくて、ボツになりました。
もうちょっと練って、別の形で図案ができればいいですが、また今度の課題です。

薮柑子もさびしがりやの実がぽつちり  種田山頭火




最後に、この写真何かわかりますか?

春に咲く牡丹の新芽です。
葉もおちて、枯れたように見える木が、もうこんな新芽をつけていました。
まだ冬はこれからが本番ですが、こんな時期からもう春の準備をしているのですね。
新芽はもっと後の気がしていたので驚きでした。



2011年11月28日月曜日

香炉


これ、何かわかりますか?

我が家にあるお香の道具です。
左は、コーン型のお香に使っています。
右は、茶香炉。

 下の台にろうそくを置いて

 上にお茶っ葉をのせて
側面の穴からろうそくの火が見えますか?

しばらくすると部屋の中にほのかなお茶の香りが漂います。
(お茶屋さんの前を通ったような香り)

とても落ち着くのですが、お茶屋さんと違うのは、しばらくするとお茶が焦げたような臭いにかわること。
一時の清浄感です。

2011年11月27日日曜日

鯛! 今日の釣果

釣り好きの相方は、お誘いを受けて昨日から1泊で釣りに行っていました。
金曜日までの荒天から一変して、土日は晴れ、波もなく穏やかな海だったそうです。
石川県の七尾市近く、富山県の氷見に近い佐々波漁港。
いつものことですが、すごくうれしそうに帰ってきました。




 左  クーラーボックスの中身
右  黄鯛(キダイ)

上  カサゴ
下  ナメラ(キジハタ)

上  アオリイカ
下  アカイカ


さて、今日の釣果(ちょうか)は・・・。
キダイ 2匹
ナメラ(キジハタ)2匹
カサゴ 1匹
アカイカ  1ぱい

もらいもの
キダイ 1匹
アオリイカ 2はい

釣ったばかりの魚は透き通っていて、鮮やかな色をしています。
いかはまだ生きていました。
(私は魚をさばけなくて、横でちゃちゃ入れるだけです。邪魔)

2011年11月26日土曜日

杉浦非水のデザイン その2

昨日に引き続いて、杉浦非水さんのデザインをアップします。


三越のポスター

大正ロマンです。

最近のファッションは懐古的なものが流行しているらしいですね。
ポンチョとか、シャネル風の衿の形とか。
個人的な感想ですが、なんとなく古くさくて野暮ったく感じます。

懐古的な流行よりもさらに前の時代になりますが、着物姿のポスターも、大正ロマンはとても大胆で自由です。









2011年11月25日金曜日

スクラップより 杉浦非水のデザイン

「季刊装飾デザイン」というずいぶん古い雑誌があります。
昭和57年頃創刊、出版社は学研。
その中で何度か、杉浦非水さんが取り上げられています。

今日はその中から、植物を写生した「非水百花譜」をスクラップしていたのでご紹介します。








装飾デザイン25の特集から少し説明文を抜書きします。

杉浦非水は明治34年東京美術学校日本画選科を卒業したが、白馬会で黒田清輝より洋画やヨーロッパ風の図案の指導を受けた。
西洋と日本の双方の教養が「非水百花譜」に実を結んだ。
大正9年(1920)から出版されたこの豪華な植物図案集は全20集。
大判の鳥ノ子紙に人間国宝大倉半兵衛による木版刷りで、百の華が美しい姿を見せる。

実物を見たいですね。
本の装丁、ポスターなど、こんな風に簡略化できたらいいなぁ。


本の装丁

こんな装丁の本を見つけたら、本の内容も見ないで衝動買いしてしまいそうです。





2011年11月24日木曜日

雪の結晶文様 水の文様

今日は朝からあられが降っていました。
窓や地面をビシバシたたく音は思いの外大きいです。
金沢に来てはじめての年、初冬の雷には驚きました。
「梅雨でもないのに、冬に雷?」
すぐに慣れてしまって、この季節の雷に「ああ本格的に冬がくるなぁ」と憂鬱になるこの頃です。

今日は雪の結晶模様と水の模様について書きたいと思います。


雪の文様

 雪華模様(せっかもよう)


左  色絵雪華文皿
右  雪華文蒔絵硯箱(江戸後期、安藤信正愛用)

雑誌のスクラップです。
何の雑誌でいつのものかわかりません。
気になる物はスクラップする癖がありまして、何でも適当に切り抜くのですが、後で見れば何が気に入ったのか忘れていることも多いです。
雪の結晶は綺麗ですね。
お皿は中央にちょっとだけ冬のお料理を置けばおいしそうだなぁ。とか、
この硯箱欲しい。とか・・・。
こんな美しい物に囲まれてみたい。とか・・・。



雪の結晶に魅かれて平成14年に作った着物です。
地色は青系統のグレーになっていますが、もう少し素鼠です。柄の色も飛んでしまってぼけていますね。
もう写真しか残っていないので、着物細部の記憶もあいまいですが、雪の結晶は評判悪かったことだけ執拗に記憶しています。


水の文様

 細渦(スクラップより)

渦巻文(うずまきもん)

幾重にも巻いた曲線模様。
古くから世界各地で使われ、染織にも多く見られます。
能の流派のひとつ、観世家の定式文様である観世水はよく知られています。
小紋にも渦巻模様があり、江戸時代の歌舞伎役者、市村亀蔵が着た亀蔵小紋は、そのひとつです。



 変わり観世水(かわりかんぜみず) スクラップより


観世水(かんぜみず)

能楽の流派のひとつ、観世流の観世太夫が定式文様として使ったところから、名づけられた水模様です。
謡本の表紙、装束、扇面などはもちろん、格調ある古典文様として、染織に広く用いられています。
ほかに白生地の地紋や、帯地として使われています。



遠波 (スクラップより)

模様の説明は、「きもの文様図鑑」 婦人画報社刊 参考

2011年11月23日水曜日

大島紬


素敵な大島紬の着物を預かったので、柄をアップしてみます。



年配の方の着物です。
とても細かい柄で、小物の使い方によって、年齢の巾がありそうです。

模様について
 左・・七宝 中・・麻の葉 右・・笹蔓文(?)

七宝は、過去ブログの宝尽くしの中で書きました。
http://sorakara11.blogspot.com/2011/10/blog-post_26.html




麻の葉文
正六角形を基礎にした、幾何学文様。
形が大麻の葉に似ているので、この名があり連続模様は、「麻の葉繋ぎ」とよばれます。
きものや長襦袢などに染められるほか絣織物(かすりおりもの)もあり、また麻が丈夫で成長が早いことから、子供の産着としても好んで用いられます。


笹蔓文
明より伝えられたとされる名物裂のひとつ、笹蔓緞子(ささつるどんす)の文様を模したもの。
三百年に一度実をつけるといわれる竹の実と、花を蔓の形にした文様で、部分的に変えたものもあります。
古典文様の中にも入れられ、小紋柄や帯などに、使われています。

右の柄はこの笹蔓文の中の竹の実の柄でしょうか。他の名前なのかもしれないので、もう少し調べてみます。



大島紬で自分の着物柄もアップします。


 紺地



白大島2枚
上  笹蔓文
下  花柄

おまけ画像
 今日のお昼イタリアンレストランで帰りにもらった「柿」と「すだち」

開ききった石榴

2011年11月22日火曜日

最近買ったコミック

古い本の話題が続いていたので、今日は最近買ったコミックをご紹介します。




「冒険エレキテ島」
鶴田謙二
アフタヌーンKCDX  講談社

空と海と、女の子とおじいちゃんの絵が可愛い漫画家さんです。
とても丁寧な細部にまでこだわった絵がお気に入りです。
2年かけてこの本1冊が出たみたいで、2巻が出るのはいつになるのでしょう。
これまでの作品で共通しているのは、テーマが似ていることと、ストーリーがなかなか完結しないこと。それが難点かなぁ。





「多重人格探偵サイコ」16
田島昭宇 × 大塚英志
角川コミックス・エース

サイコは、読み始めはとてもおもしろかったのですが、新しい号が出るのが遅くて話の内容を忘れてしまいます。
人間関係も複雑で、だんだんこんがらがって、どうなっているのかわからない。
わからないまま読み進めて、完結すれば、もう一度初めから読み返そうと思っています。
そう思って新刊が出るたびに買っているのですが、なかなか完結しない。
うーん、どうしようかなぁって思うのですが、やっぱり買ってしまう。

最近の漫画は長く続いて、だらだら引き延ばしているのが多い気がします。
本編では余分な物をそぎ落として、綺麗に終わって欲しいなぁ。(できたら起承転結がはっきりしていて)
本編でストーリーを簡素に読ませて、同じ出来事を登場人物の視点を変えて番外編として捉えなおすとかが面白いと思いますね。



今日庭に咲いていたサフランの花

サフラン

・11月上旬前後に開花。秋咲き。                                            
・クロッカスの一種。                         
・花言葉は「歓喜」
サフランの名前は、”黄色”を意味するそうです。 サフランライスって黄色いですね。      
            

2011年11月21日月曜日

染帯の糸目糊  サルトリイバラ

朝からみぞれまじりの雨が降り寒い1日でした。
今日は染帯の糸目糊の作業をしていました。




上  前にブログに載せました西陣織の生地
下  糸目糊


金糸銀糸が織り込まれ、下絵の線が見難くて、思ったよりも手間がかかりそう。
ちょっと柄がわかりにくいですが、市松模様が浮き出て、大きめの菊の柄が多重に見えます。
古典柄の菊で、オリジナリティはないのですが、最近古典柄を見直していて、金糸銀糸の光沢に負けないような大柄な菊を配置し、市松模様を生かした色にしたいと思っています。



 縮緬生地にサルトリイバラの柄

写真をアップする時、横の構図(前腹の部分)がなぜか縦になって横に戻りません。
変な形になってしまったので、雰囲気だけ・・・。


サルトリイバラ

サルトリイバラは山野にはえるつる性の低木で、巻きひげで他のものにからんで登っていきます。まばらにとげがあって、ジグザグにのび、このとげに猿がひっかかるという意味でこの名前がつきました。
4~5月に花が咲き、10~11月に直径約1cmの赤い実をつけます。
別名、山帰来(サンキライ)
花言葉  「不屈の精神」


左  花
右  実


古典柄や友禅柄、加賀調の色使い、以前は、よくある形を見てもいいと思いませんでした。古くさかったり、どこにでもあっておもしろくなかったり・・・。
一つの花をスケッチして、それを写実的にそのまま使用するのではなくて(写したものは実物の花以上に美しくは出ないので)デフォルメしてデザイン化して、実物のいい部分をより強調した形を考えます。
線をより単純化したら、ある時、この昔からある古典柄が本当に良く出来た形であることに、気づきました。

気づいたら、使ってみたくなります。
菊や梅、桜、ぼたん。使い方次第で表情が全然違った物になります。
オリジナリティーとか私らしさとか、古いとか新しいとか、何も考えず、その時々で綺麗だなぁと思ったら、それでいいのかもしれません。
極論かもしれませんが・・・。