少し前に仕上がっていた訪問着
写真にすると色がちょっと浅くなって、うまく撮れていません 。
柄が少し細かいので、いつもより大きい画面で・・
前の裾部分
上の方から桜が枝垂れていて、
裾は四季の花をいろいろ盛りだくさんに
前部分は、春から夏にかけて・・
かたくり・水仙・山吹・ 卯の花・あやめ
後裾部分
夏から秋にかけて・・
あやめ・ほたるぶくろ・桔梗・ホトトギス・萩・紫式部
右の方は着ると隠れてしまうけれど、
秋からちょっとだけ冬
りんどう・やぶこうじ・白山吹
左袖
中央より上が後袖
下が前袖で、左側枝が胸につながっていきます。
上の方(袖・胸・肩)は枝垂れ桜のみ
八掛(裾裏地)
地色が濃い紫紺 (青紫がかった紺色)
裾と八掛が綺麗なミントグリーン
訪問着は柄がつながっているので、白生地の状態で仮絵羽(着物の形に仮縫い)をして作業し、
染め上ったらまた仮絵羽して、全体の柄がよくわかるようにして納めます。
今回はすぐに仕立てに出すため、最後の仮絵羽状態ではなくて、反物の状態でお渡ししました。
残念ながら、全体の柄の配置がわかりにくいですね。
雰囲気だけでも伝わるかな?
誂えの仕事は、下図の段階から お客様と相談して制作します。
まず、
どんな着物がいいですか?
何の花が好きですか?
地色はどんな色?
もちろんぴったり寸法で、
この着物は、お客様のイメージが「夜桜」で、
上の方の柄が多くなくて、すっとした かっこいい着物
季節を選ばないように、裾に四季の花を入れ、
花の種類は丸い花や大柄の花(牡丹や薔薇など)ではなく、上から枝垂れる桜の流れに添って、すっとした「和」のイメージで
下図ができたら、写真に撮ってメールで確認してもらい、
(今回は直接下図の一部を送って、修正)
この段階で形が決まってしまうので、しっかり打ち合わせしました。
途中経過をブログで報告しながら進めるつもりが、アップできなくてごめんなさい・・
青花で生地に下絵を描いて
糸目の写真を見せたり、
彩色途中を見せたり・・
そして、彩色終了時に確認してもらった写真が下
前裾部分のアップ
後裾部分のアップ
この彩色終了時から地色を染めて、最初のできあがり写真になります。
地色が入るとずいぶん雰囲気が変わるでしょう。
普通は出来上がり状態をお見せするだけのことが多いので、
こんな風に途中経過を順を追ってお知らせすると、いっしょに作っている感じがして、すごく楽しいです。
長い工程もわかってもらえる。
反物の状態で見る着物より
仕立て上がった状態の着物の方がずっと素敵ですよ・・
そして、実際に着られたら、また雰囲気が違う・・
似合いますように。
そして、長く長く「好きな着物」 になりますように。