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2012年8月31日金曜日

「雪と珊瑚と」


梨木香歩さんの「雪と珊瑚と」を読みました。

「雪と珊瑚と」

梨木香歩 著
2012年4月初版
角川書店

珊瑚、21歳。
生れたばかりの子どもをかかえて
途方に暮れるシングルマザー。
そんな中、差しのべられた
滋味ある言葉や温かいスープに、
生きる力が息を吹き返してゆくー。
(本の帯より・・)


以前にもブログに書きましたが、梨木香歩さんは大好きで、数少ない新刊で買って読む作家さんです。
西の魔女以来、登場人物の「おばあちゃん」は私の理想です。
今回も、元修道女の「くららさん」が素敵でした。

小川糸さんの「食堂かたつむり」に少しだけ設定が似ていて、主人公の珊瑚が周りに助けられながら、新鮮な野菜をふんだんに使ったお惣菜と珈琲のお店を作るお話です。
(まとめたら、ちょっと違うなぁ。)
生れたばかりの子供雪ちゃんの時々の成長とお店作りに奮闘しながら子供と共に成長してゆく母親珊瑚のお話かな。

本の主題とは離れたところで、今の自分に当てはまってしまった台詞があったので、ちょっと覚書。

「自分の生き方と、経済を、もっとはっきり言えば、金勘定を、どう折り合わせていくか、ってことがぎくしゃくしてるんです。そのうち、はっきりした指針みたいなものができて、割り切って考えられるようになれば楽なんでしょうけど。・・・・略・・・」(P177 珊瑚の台詞) 

「若い頃は、なんか、恋愛とかに費やす時間がもったいないって思えたんです。もっとじっくり、いろんなことを考えたり本を読んだりしたかった。結婚してしまえば、そういうことに煩わされなくなる、って思って、そのとき一番私を必要としていそうな人と結婚したわけです。一人の人間だけでも何とか救うことができるんじゃないかって。実に不埒な考えでしたね。結婚したら結婚したで、恋愛に取られる時間以上の時間をまた取られて・・・」(P197 くららの台詞)

他にも身近に感じる台詞が多々あるのですが、一文のみ切り取ってしまえば何のことかわかりませんね。
個人的に感情移入してしまいました。
(つまり、今現在の自分が、金勘定がうまくいかなくて迷っているので(自分の理想に経済力がついていかない)・・・
あっ、くららさんの結婚と私の結婚はちょっと違いますけれど、若い時の生意気さは共通するかな・・)

まったくまとまらない文章になりましたが、好きな本でした。

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