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2012年8月22日水曜日

黒色 ミニチュア着物

少し前、黒留袖の彩色を終えました。
今回、お仕事ではなくて個人用だったので、失敗してもいいかなと、やりたい放題。地色の黒と柄色の間を自分でぼかしたくて(下仕事)、染屋さんから黒色染料を少しわけてもらいました。

黒は特殊な色で、彩色の時に使う酸性染料では、黒留袖地色の重々しい黒は出ません。

古い着物・汚れやしみなどがとれない着物は、一度抜染(ばっせん・・・色を抜くこと)して白地に戻し、別の色を染めることがあります。
普通の染料だとこの染め替えができるのですが、黒は色が綺麗に抜けないので、染め替えができません。

普段は手元にない黒い染料。
下仕事を終えて、少し残りました。
その残った染料で、ミニチュア着物を1枚、黒い地色に・・・。



柄のアップ

最近仕上げた染帯の酔芙蓉の柄を適当に小さくして、派手な色を入れず、「渋かっこいい」を目標に・・・。

着物の形に仕立て上げると、柄がどんな風になっているのかわかるのですが、まだ生地状態なので、ばらついてわかりませんね。

黒い地色を染める時、大きめの刷毛で大胆に染めていけばいいのですが、黒用の刷毛なんて持っていないし、染料が足りなくなるんじゃないかとひやひやしながらだったので、古い彩色筆で、ちまちまと染めていきました。
慣れない黒を小さな筆でぬるのは、無謀だったかなぁ。
蒸して、水元して、仕上がってみると、どうも筆跡がムラムラになって見えます。
まあ、ミニチュアで仕立ててしまえば目立たないかな。
人形に着せてしまえばまったくわからなくなるでしょう。

黒い地色は、とても強い色で、きゅっと柄が引き締まります。
また次はいつ楽しめるだろうか。

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