カウンター

2012年7月4日水曜日

「後白河院」 井上靖


「後白河院」 井上靖著
昭和47年発行(1972年)
筑摩書房

NHKの清盛から、井上靖さんの「後白河院」を読み返しています。
古いですねえ。40年前?こんなに前だったっけ?
高校生の時読んだ本です。
一時凝っていて、井上靖さんの本を片っ端から読んでいました。

さて、この本ですが、
ちょっと、「清盛」の登場人物の本の描写を紹介したいと思います。


まずは
29歳で帝になった時の「後白河帝」 (P29)  ・・・松田翔太

・・・白いふくよかなお顔立ちで、お體(からだ)も大柄でありますし、立居振舞も萬事(ばんじ)おつとりして、他の競争者を排して、即位遊ばすことになつたお人柄のようには到底お見受けできませんでした。・・・・・


「信西入道」(P34)  ・・・阿部サダヲ

・・・長身痩軀(ちょうしんそうく)、眼光の鋭い神経質そうな初老の人物で、僧衣に身は包んでおりましたが、身邊(しんぺん)に漂つているものは武人の持つている烈しさでございました。


「藤原信頼」(P60)  ・・・塚地武雅

・・・藤原信頼が初めて朝廷に出仕いたしましたのは、内裏(だいり)の新造がなる半歳程前(ちょっと説明すると、保元の乱と平治の乱の間)・・、まだ二十六歳の初々しさの抜けぬ公達(きんだち)でございましたが、この若い公達が一年も経たぬうちに正三位に上り、一年半程の間に参議、中納言と進んで、右衛門督(うえもんかみ)を兼ねようとは誰が思つたことでございましよう。・・・


(本文をほぼそのまま書き写したので、旧漢字が多くルビをふりました。)


NHK清盛のホームページ登場人物相関図http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/cast/index.html

上記ページを見ていただくとわかると思いますが、ずいぶん、この小説で書かれている人物描写と「清盛」の俳優さんのイメージが違います。
特に、藤原信頼役の塚地武雅さん(相関図右端上から5人目)  26歳?

決してNHK批判をしているのではなくて、捉え方の違いをおもしろく楽しんでいるだけなので・・・


もうすっかりストーリーも忘れていて、久しぶりに読んだというよりは、初めて読んだ感に近いのですが、普通に旧漢字の本を読んでいたのですねぇ・・。
今の本に比べて、漢字の横にほとんど読み仮名がついていません。
でも、まったく普通に読める。(ほとんどの漢字が読める)

「お母さんが高校の頃こんな本読めたよ」ってちょっと自慢したくなって、息子に読ませてみました。
すると、国語の苦手な息子ですが、だいたいの旧漢字が読めます。(驚き)
「こんな漢字知ってるの?」って聞くと、
「雰囲気・・適当・・」って答え。
そんなものかもしれませんね。
でも、読めない字も多かった・・・(ニヤッ)


当時、きっと読みながらイメージせずに飛ばしていた、衣装の具体的な表現や宮中行事のきらびやかな描写が、とても色・形・具体性を伴って文章から伝わってきます。
たまに、昔の本を取り出してくるのも違った読み方ができていいかもしれません。





おまけ画像

今日も蒸暑かった

0 件のコメント:

コメントを投稿