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2013年7月21日日曜日

「着ること」「似合うこと」は難しい

さて、大きな柄の花嫁のれんと平行して、のれんに似た柄のミニチュア着物を作りました。


 身丈(たて)が約42cm



 胴裏に紅絹(もみ)を使って素人の和裁


 人形に軽く羽織らせて
(帯も締めていない、おはしょりも無しの状態)


 ミニチュア着物は、人形に着せる用途とは別に、小さな衣桁に飾る小さな着物のイメージで、インテリア感覚で作ってきました。

大人の着物も同じことが言えますが(何度も書いてきたことの繰り返しになりますが)、飾ることを意識すると、着物の中心に目がいくように柄を配置しますが、着ることを意識すると、着物の中心は全部隠れる場所になります。


今回のミニチュアは、人形に着せる着物を意識して作りました。

人形の着物だから、子供用のように可愛い色、派手な色というわけではありません。
真っ赤な色柄、洋服感覚のデザイン性は、人形の顔立ちや雰囲気にもよりますが意外と似合わないことが多いです。
表情のある子は特に渋めの大人っぽいものの方がより似合います。
 (飾る分には派手な可愛い色・柄はOK)

今回も柄は人形に合わせてかなり小さめの古典柄。
牡丹・梅・椿
着て美しい柄の配置。
地色は上が赤紫の濃い色に裾はダークグリーン(これが思ったよりも渋すぎた・・・)

彩色終わった時点で、古くさーい。
ちっともお洒落じゃない・・・。

着物が古臭くなってしまったので、ちらちらと見える裏地や伊達襟に派手目の朱赤を持ってきて、ポイントをきかせてみました。

そして、本当に着物の難しいところは、人形に着せてみると、この古臭い着物が似合うってところです。

デザインに凝ったもの ・何か生き生きした新しいものをと意気込んで作った着物は、着せてみると意外と似合わない。顔移りがよくない。
特に何も考えずに作った、よくあるタイプが違和感なく似合う場合が多い。

これは、大人の着物にも言えることで、 全然お洒落じゃないのに、着る人によってすごく似合うし上品になる。
すごく大好きな柄なのに、私に似合ってくれない。変に浮いてしまう。

そして、人それぞれに似合う色・柄が違う。
顔移りのいい色・柄は、同じ系統のものでも人によって微妙な違いなんです。


着物を作ることは、本当に難しいです。
飾ること・作ることを考えるなら、あのデザインはいいとか、あの色がいいとか、絵画を観る感覚で好みに沿って良し悪しをつけられますが、「着ること」「似合うこと」には良し悪しがないのかも・・。
着る人主体で、より似合っていれば、それがベストな気がします。
優れた技術も、似合うこと・着て美しいことが前提なのではないかと、何を作っていいのか考えれば考えるほどわからなくなってきます。 
 
着物・衣装・ファッションは、難しい。
 

 
 
おまけ画像  昨日の相方の釣果

大きいクーラーボックスに大きめの魚

よく太ったアジ・かさご・なめら(こちらの言い方なのかな?私は知りませんが・・)

日焼け止め持っているはずなのに、真っ赤になって帰ってきました。
ヒリヒリ痛そう・・・

2 件のコメント:

尾花 智子 さんのコメント...

古典の素敵な柄ですね。宮腰さんの柄は力強く、人形に着せたときに柄が勝ってしまい、人形が沈んでしまうので、強い人形じゃなければ着こなせないなあと思います。人間と衣装の場合は人間が主人公ですが、人形と衣装は同等だと思います。食うか食われるか、強調しながら新しいものを作りだせるか。結構シビアーなところがあると思います。宮越さんの着物を着こなせて、新しい境地に行けるような人形が作れたらなあといつも思っています。

ソラカラ さんのコメント...

尾花さん
コメントありがとうございます。
今度是非、智子さんの人形の着物作らせてくださいね。
人形の顔を見て、写真撮って、その子に合わせて地色や柄を決める作り方楽しいです。
そして、着物とは別に、智子さんの最新作老人の人形、楽しみにしています。

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