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2011年9月24日土曜日

本  「昔のきものに教えられたこと」 2  紅絹(もみ) 矢絣

 昨日に引き続き、「昔のきものに教えられたこと」から書きます。


P28 色留の写真


上記写真の右下後姿写真アップ

本文の抜粋
P43 あなたの色留袖も淡い色ですか  色留袖

・・・前略・・・
P45  約束ごとは黒留めと同じと申しましたが、色留めの場合は比翼に色をつかってもいいでしょう。たとえば上着がうすい水色なら、比翼はうすいピンクとか、ベージユとか、落ち着いた朱色にすると、おしゃれな着こなしになります。
・・・後略・・・


上の2枚目の写真を見てください。
色留袖の袖ふり部分が朱色になっています。
胴裏に紅絹(もみ)を使っているのでしょう。
上の文章にあるように、比翼に色を使ったり、胴裏に色を使ったり、留袖等礼装はすべて白と思い込んでいましたので、驚きました。

比翼・・・・比翼仕立ての略で、2枚重ねて着ているように見える仕立て方です。


本文の抜粋
P55  紅絹が似合う人  色無地

・・・前略・・・
それらの方々の中に、年のころ八十ぐらいの実に品のいい老婦人がおられました。
・・・中略・・・
その大沢さんがだんだんこちらにやって来て、わたしたちの向かいの席にお酌をするため、背を見せて座ったときです。袖の振りからほんの少し赤い色がのぞきました。胴裏の紅絹(もみ)です。その瞬間わたしは、ああ、ええなぁと思わずため息をもらしました。
・・・後略・・・

紅絹(もみ)・・・
紅花(べにばな)を揉んで染めたことが名前の由来。
紅色に染めた薄手の絹生地。
女物の裏地用。

アンティーク着物にはよく紅絹がついています。
正直なところ、紅絹は私の年齢(50代)には派手だなぁと思っていました。
汗などで、着物の表地に紅絹の赤が色移りしたものもよくあります。
どんな染料を使っているのだろう。こんな風に着物に色が付いてしまうなんて・・・。
(きっと、色移りする紅絹は質の悪いものなのでしょう・・・)
繰り返しになりますが、色無地の裏に色をもってくるのは、お洒落着っぽく礼装に不向きと思っていました。

この章の最後の方で
「若いときはともかく、中年になったら紅絹をつけたきものを着てみることをおすすめします。」
と、書かれています。

なるほどなぁ。
年配=赤い色は派手。
ではなくて、着物との色合わせ、出方(見える分量)・使い方なんですよね。


少し前、NHKの朝の連続小説「おひさま」に出演されている樋口可南子さんの着物も、裏地に紅絹を使っているのが、袖口からちらっと見えました。
うわぁ。お洒落。って思わずじぃっと見ていたのですが、すぐに赤い色は見えなくなってしまいました。

(写真はブログ用に今日がんばってテレビから写しました。)
 たぶん銘仙の着物(矢絣じゃない?)に鹿の子絞りの半襟

たぶん銘仙(矢絣)の着物(お召しかもしれませんね)
この着物の胴裏が紅絹だったかなぁ。(?)


いつも本当にお洒落な着こなしで、1枚目写真の鹿の子絞りの半襟や、2枚目写真の染帯とか、「もっとアップで見せて」ってテレビに向かって心の中で叫んでいます。
染帯は着物地のリメイクなのかなぁ。柄が全体にあるように見えます。
帯も似たようなものが2本あるのじゃないかしら。(地色が黄色と黄緑色のものと、黄色と紫色のものと・・・はっきりはわかりませんが・・・)

石川あきさんの本の中にも矢絣を紹介しています。
まるで、この本に書かれているお手本みたいな着こなしです。


「矢絣」

 矢絣の連続模様2種類
左  上向き・上向きの交互
右  上向き・下向きの交互

左  1カマの矢絣
右  2カマの矢絣

カマというのは、生地巾いっぱいに入る柄の数のことをいいます。
左が生地巾いっぱいに1つの矢絣の連続模様。 1カマ
右は生地巾いっぱいに2つの矢絣の連続模様。 2カマ
3つ入れば3カマ・・・。といいます。

上の樋口可南子さんの2枚目の矢絣着物は2カマの矢絣です。
柄の配置は上の図右の連続模様。(上向きと下向きの交互)
大胆ですよね。
大きいほど柄の形よりも全体の色分けのようになって、粋になる気がします。
こんな風に着こなせたらいいですね。

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