「カラスの親指」
道尾秀介 著
講談社文庫
2008年7月 刊行 講談社
2011年7月 文庫本
先日読んだ道尾秀介さんの文章が気になって、古本屋さんで何冊か買ってきました。
まずは、今映画公開中の「カラスの親指」
詐欺師のお話で、長編です。
切れのいい文章で、話がどんどんテンポ良く進んでいきます。
ハラハラドキドキ一気に読ませるけれど、読み終わった後が、「あれっ」。
この前読んだ連作短編の「光媒の花」とスタイルも描き方も違うのに、読後が同じように物足りなさを感じます。
結末が小さくまとまって、ほのぼので終わるのかぁ・・・。
騙したつもりが騙された・・。
仕返しをするつもりが実は・・。
トリックの謎めいた部分は全部種明かしされます。
これが作者の意図で持ち味なのでしょうが、答えのでない部分があってもいいのでは・・・。ってちょっとひねったものが好きな私としては思ってしまいます。
もちろん、この安心感や結末がはっきりした安定感が好きな方もたくさんおられると思いますので、あくまで私見です。
映画は主人公のタケさん(武沢竹夫 46歳)を 阿部寛さんがキャスティングされています。
映画「カラスの親指」公式ホームページhttp://movies.foxjapan.com/crow/index.html
原作とは違うものと捉えればいいのかもしれませんが、「一度見れば忘れない顔」存在感のある阿部さんが、顔を覚えられたらまずい職業・詐欺師かぁ・・・。
どうなんだろう。
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