「オリンピックの身代金 上下」
奥田英朗 著
角川文庫
ドラマの俳優 表紙すごいですね。
この本は前から知っていたけれど、文庫本になったので購入しました。
買った時にカバーをつけたので、今はずしてみてビックリ。
昭和39年、高度経済成長の陰で 貧困のうちに取り残された労働者の現実を知った東大院生の主人公が、オリンピック会場の爆破計画を人質に、警察・国家に挑む約3ヶ月間を描いた小説です。
(下手な要約)
小説とは言え、東京オリンピックで爆破事件は起こっていないので、結末は失敗に終わることは予想できます。
また、ほぼ最初から犯人もわかっているので、犯人探しでもない。
でも、読んでいるうちに、どうして犯行にいたったか、犯人の心情に肩入れしてしまいました。
なんとか逃げてくれないかなぁ。って
そして、この表紙に書かれていましたが、テレビで2夜連続放送。
ちょうど終わり近くを読んでいる時だったので、当然テレビは見ていません。
「樹影譚」
丸谷才一 著
文春文庫
3つの短編が収められています。
ストーリーをまとめてしまうと、まったく言葉が味気なくなるので、ストーリーは省略
「鈍感な青年」
若い男女の恋愛の機微
登場人物の表記が、若者・青年・男 娘・女
と その時々で変わるのに違和感もったのですが、恋愛の場面では、男・女となっていたかな。
そして、若者と青年の表記の違いは?
文字にこだわる作者の意図があるのだろうけれど、違いがわからなかった。
「樹影譚」
正直言って、読み始めはぐだぐだしているし、話は飛ぶし、もう少し簡素にしてもいいんじゃないかと思いました。
さまざまな知識・考察はおもしろい。
あっちこっちに飛ぶ思考が、私自身のまとまらない思考に似ていて 変に同調して気持ちいい。
そして、最後まで読んで、そのひとつひとつがつながっているのかもと、また最初に戻ってしまいました。
「夢を買います」
このお話が一番好き
湿度ある文体で、小説らしい小説を読んだって気がします。(いつも小説読んでいるのに・・)
綺麗な表現と、情景描写の中に心情が 折り重なる。
私の文才が乏しくて、何を書いているのか自分でわからなくなりました。
読んでいる人は余計にわからないだろうな。
0 件のコメント:
コメントを投稿