普段、着物や帯など自分の作品には染料で落款を染めています。
落款登録をして使い始めた時、なんだか気恥ずかしくて、仕事以外の小物製作には落款を入れていませんでした。
すごく偉そうな気がして(自己主張が強すぎるようで)、何でも簡単に落款をつけるのに抵抗がありました。
でも、何がきっかけだったかわからないのですが、「落款は自作のサインであって、その品物に私が責任を持ちます」という印だと気がついたのです。
よくよく考えたら当たり前のことなんですが、これが結構重くて、いい加減な仕事をしてはいけないなぁと、痛感しました。
それから、どんな小さな小物にも落款を入れることにしています。
普段使っている落款
これは、加賀染振興協会に登録している落款で「加賀友禅作家 宮腰一恵」の印です。
加賀友禅の落款帳にも載っているものです。
着物や帯などに落款を入れて、さらに検査に合格すると加賀友禅の証紙を貼ってもらえます。
証紙を貼ってもらうにはいろいろ決まり事があって、小物や、 素材が絹100%でない場合、適用外だったりします。
今回、証紙適応外の品物を作っていて、どうせなら落款も染めではなくて、新しく朱肉を使う落款印を作ろうと考えました。
加賀友禅にこだわらずに作った品物に対して、振興協会に登録している落款とは違った自分の印を捺す。
分けて考えるのもいいかも・・・。
そして、
印刷屋さんに相談して作ってもらった新しい落款印
書道はまったく門外漢なので、何体か全然わかりませんが、判子によくある字体です。
枠に少し切れ目をいれてもらいました。
出来上がった印鑑に朱肉をつけて、ちょっと緊張して初めて捺す瞬間、結構うれしい。
「おお、なんだか作家先生みたい」
ちょっぴり偉くなった気がしなくもない。
これから、登録落款と、この新しい落款印と、併用しようと思っています。
「新しい印」の方もよろしくお願いいたします。
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