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2012年9月14日金曜日

付下げを四つ身に作り変え

若い頃の付下げ。
何度も着て、妹さんも着て、少ししみが出ている思い出の着物。
大切にされていた着物をお孫さんの四つ身(7歳児用七五三の着物)に作り変えの依頼がありました。

丁寧に保管されていたようで、染みはあるものの、古い絹独特のにおいがなくて、しっかりした綸子(りんず)の生地でした。




着物を解いて洗い張りした生地

生地の地模様

今日、洗い張りができました。

光沢のある重みのある綸子(綸子)地で、ねじり菊の大きい地模様が入っています。(写真下)
もともと、地色を染めていない白地の着物で、地紙紋(骨のない扇面)がポイントポイントに散っています。(写真上)

この白地を黒地に染め替えしてシミを隠します。
せっかくの白地だから、ちょっとだけ手間を加えて、


手元にある図案から、大きめの花を少しだけ飛ばして可愛くしようと思っています。(上の下図)
扇面がしっかりかわいい色が入っているので、飛ばす花は白。
黒地に白はきっと映えるでしょう。


この着物には、白地に薄いピンクぼかしの八掛(はっかけ)がついていました。


八掛は裏地で、白い色や薄い色の裏に濃い目の八掛をつけると、仕立てた時に裏の色が出てしまうので、だいたい白地に裾ぼかしの物を使います。

使用していた八掛と胴裏(どちらも裏地)は、さすがに変色していました。

生地の薄い胴裏(どううら)は新しい物に取り替えるとして、八掛はまだ使えそうなので、上から真っ赤に染めてもらいました。



八掛(裾回し・・・裏地)

縫った線などは残っていますが、しみはまったくわからなくなっています。
黒地に染めた着物に真っ赤な八掛はかわいいでしょうね。


まだ洗い張りが終わったばかりの生地の状態ですので、これからゆっくり手をかけていきます。

大事にされていた着物が形を変えて再生されるのは、すごく楽しい仕事です。
もしかしたら、依頼主さまよりも私の方が出来上がりを楽しみにしているかもしれません。


2 件のコメント:

たまかずら さんのコメント...

物(着物)を大切にするということは、
再生の楽しみ、喜びがモレナク付いてくるワケですね。
写真からも生地の良さが伝わって来ますね。

私も楽しみ^^

ソラカラ さんのコメント...

たまかずらさん

再生は楽しいですね。
何もないところからデザインを考えるのは、結構しんどいですが、すでにあるデザインを生かして(今回は地紙模様を生かす)少しの手間で良くなるように考えるのは楽です。
子供用だからかわいいし。

染めに1ヶ月、仕立てに1ヶ月(もう少し短縮できないかなぁ)、まだ出来上がりまで時間がかかりますが、途中経過報告しますね。

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