紫の色留でずいぶん前にオークションで素材用として購入したものです。
アンティーク着物じゃないかなぁ。
地色がかなり焼けていて、生地も弱っているので、着物として再生はできません。
手描き友禅で、柄が丁寧に描かれていて、花のにおい(中心のおしべ・めしべ)の部分に刺繍されています。
まず、解いてみると、仕立てもすごくこまかくて綺麗な縫い。
寸法も少し身幅が狭くて、柄がぴったり合っているので、誂え品じゃないかなぁ。
残念ながら、縫い糸の劣化が激しく、生地にくいこんでいるため、解くのに手間取りました。
袖丈も1尺5寸(57cmぐらい)で少し長め。(1尺三寸49cmが最近は多い)
袖を解いてみると中にさらに縫いこんであって、2尺(76cm)もありました。
袖に柄がなく、使える部分が多くラッキー。
これだけ長い袖の色留は、最近では見ることがありません。
いつ作られた着物なのかなぁ。
胸・肩や袖に柄のない一つ紋の小振袖だったりして・・。
普通は、解いて、端縫い(1反の生地の状態に縫い合わせる)して、丁寧に洗い張りですが、ダメージの強い生地なので湯のしなどお金をかけられず、ダメもとで、しっかり水につけて、濡れているうちにアイロンで引き伸ばす・・・。
洗ってアイロンをかけて、だらんと乾かしている状態。
昔の物なので、予感はあったのですが、水につけたとたん、見事に色落ち。
水が濃い紫色に染まりました。
何度か水を替えながら洗っていくのですが、なかなか色落ちが止まりません。
地色の色落ちだけでなく白濁しているので、柄に使っている胡粉(白)もかなり落ちている様子。
アイロンで乾かすと、柄色も落ちて全部白っぽくなってしまいました。(上記写真)
地色はあれだけ色を出したのに、そんなに薄くなったわけではなくて、赤みが少し飛んで、青っぽい紫になったようです。
生地の焼けとしみは残ったものの、埃がとれて、汚れがうすくなって、少しすっきりしました。
とても丁寧な仕事をしている染め柄なので、ついでの時に、糸目を引いて、柄を少ししっかり彩色して、遊んでみようかな。
白い花は白く、色が飛んでしまった部分は色を足して・・。
上前、おくみ等の前柄は、柄続きのまま、人形の着物にしてしまうのも雰囲気あっていいなぁ。
柄の綺麗なところを出すには60cmぐらいの人形かな・・・なんて・・・
人形に着せたイメージ
やっぱり、もうちょっと柄をしっかりさせた方がいいな。
そして、もう1枚、雑に洗ったのが、この長襦袢
こちらは頂き物の古い袷の長襦袢。
綸子のような光沢あるしっかりした生地で、あまりダメージはなさそう。
解いてみると、縫い代から柏の紋が出てきました。
縫い目が大きくそろっていないので、きっと、手持ちの色無地を長襦袢に自分で仕立てられたのでしょう。
濃い地色で粋な長襦袢に仕立て直しもいいかなぁと、水に浸けてみると、やっぱり色が出る出る・・・。
水を何度かえても、濃い色落ちが止まりません。
あきらめて、アイロンをかけて、伸ばして・・・。生地も縮む・縮む。・・・
乾かしてみると、濃度は思ったほど落ちていなくて、前の色留とは逆に青みが少し飛んで、赤っぽい濃い紫になりました。
くすんだ感じが消えて、すっきり。
これを長襦袢にしたら、汗をかいた時、着物に色移りするんじゃないかしら・・・。
こちらも着用に再生はあきらめました。
着用には無理でも、欲しい時にみつからない色なので、使い道はありそう。
写真の色とは微妙に違うけれど、気になる方がいたらお問い合わせ欄からでも声をかけて下さい。
無料で譲ります。(下の長襦袢生地のみ。上の方は少し楽しみたいので、その後で)
0 件のコメント:
コメントを投稿