私の住む校区では、今日、雪の成人式でした。
最近は、振袖はレンタルがほとんどで、インクジェットのプリント柄が目立ちます。
去年娘が成人式で、おととしはレンタル着物のパンフレットが山ほど届きました。
仕事柄、参考資料にと当初全部捨てずに置いていたのですが、同じような着物ばかりだったので、気に入ったパンフレットを少しだけ残し去年残りは処分しました。
その中で1冊だけすごく写真の綺麗なパンフレットがあったので、それをご紹介します。
金沢市にある「美しいキモノ 丸年」 としう呉服店のパンフレットです。
(写真は部分的にカットして編集)
これでもかというぐらいに飾り立てたチラシの中で、とてもナチュラルで、自然な写真です。
たぶん手描き着物と思われますが、プリントかもしれません。
出来たら、若い人には素敵な手描き着物を着てもらいたいと作り手としては思いますが、どうしてもコストがかかってしまうので、しかたないですよね。
インクジェットを批判するつもりはありません。
プリント技術もきっとどんどん質がよくなるでしょうから、一概に否定もできなくなるでしょう。
上質の生地を使えば、差がなくなるかもしれません。
プリント柄でも素敵なデザインで着る人に似合っていれば、デザインの悪い似合わない手描きよりもずっといいですから。
ただ、こんな風にインクジェットが主流になって、手描きの需要が少なくなると、制作する職人は生活できなくて、若い後継者が育たず、技術は確実に失われます。
しかたないなぁと思いながらも、寂しい話です。
オークションで安く手に入れました。
去年、成人式が終わってから、質のよい帯を手に入れたくて、落札したものです。
形が安定していて綺麗で、古典柄の参考になります。
まだ締めてはいませんが、これから何度か役立ってくれることでしょう。
贅沢な話ですが、私は、着物も帯も、綺麗な物は見ているだけで満足してしまいます。(内緒の無駄遣いいっぱいしているなぁ)
成人式の話とはまったく関係ないのですが、今日、皆川博子の「倒立する塔の殺人」(PHP文芸文庫)を読みました。
格調高い文章と、幻想的で毒のある美。
おもしろいなぁ。久しぶりにドストエフスキーを読み返したくなりました。
2 件のコメント:
私が退職したころは、スクリーン印刷だったような気がしますが、今はインクジェットの印刷なのですね。手描きと印刷と側において比べれば分かるかも知れないけど、着物のことを知らない方は、区別がつかないでしょうね、私も識別できるか不安だな・・・いいものってたくさん見ないと、見る目が養われないですよね。きっと今の若者は本物の手描き友禅を見たこともない人もたくさんいるでしょう。本物の良さを教えて上げたいですね。
コメントありがとうございます。(年賀状も・・お返事できなくってあせっているうちにもう9日になってしまいました。ごめんなさい)
今の振袖は、インクジェットが主流ですね。
作り手の立場では、本当に手描きを見て着て欲しいと思います。
でも、消費者の立場では(一母親としては)、哀しいかな、何度着るかわからない着物に、高いお金は出せません。
素敵なデザインで、本人に似合っていれば、インクジェットでも許せてしまいます。
印刷技術がさらに良くなれば私も見分けつける自信ないかも
一番きついのは、デザインが良くなくて、着る人を綺麗に見せない手描きでしょう。
コストはどうしても高くなるし、綺麗に見えなければ好きになってもらえないから大事にされない。
そうならないように、しっかり作らなければと思います。
そして、少しでも、本物が残りますようにと願わずにはいられません。
ちょっと、堅い話になりました。
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