水分の多い雪が深深と降り続いています。
昼頃、椿の木に積もった雪は融けかけていました。氷状になって固まっていますね。
今日は、雪にちなんで、久しぶりに模様のご紹介です。
「雪持文」(ゆきもちもん)
雪持柳、雪持笹、雪持の松、雪持の椿というように、植物に雪が降り積もったさまを文様化したものです。
雪がやわらかに積もっている状態を、みごとに表現しています。
能装束にもあり、小袖や歌舞伎の衣装にも見られます。
友禅や小紋に図案化したものもあります。
(きもの文様図鑑 婦人画報社 刊より)
雪持竹南天雀文様 三越資料館蔵
雪持ちの柄を探してみました。
いつもなにげなくよく見るのに、いざ探しているとなかなかみつかりません。
友禅の制作上で、時々出てくる「ゆきもち」という言葉があります。
雑な図案ですみません。
色鉛筆で塗ったのですが、左を、彩色が終わった状態とします。
この後、彩色した柄の部分を糊で伏せて、地染め用の大きな刷毛で地色を染めます。
真ん中の図は、綺麗に糊が伏せられて、綺麗に地色が染まった完成図。
右の図は、問題の「ゆきもち」です。(赤矢印の先の白い部分)
柄の鋭角の部分で糊がたれてしまったり、伏せ糊をする際に誤ってはみ出してしまったり、地色の部分に糊が付くと、その部分は染められずに白く上がります。
その失敗した白い部分のことを「ゆきもち」と言います。
「ゆきもち」になってしまった部分は、後で面相筆できれいに直します。
この「ゆきもち」という言い方、友禅をする人たちが一般的に使っている言葉なのか、私が教わった工房での言い方なのか、わかりませんが、木に積もった雪になぞられていて風流な言い回しですね。(でも、失敗なのですが・・)
0 件のコメント:
コメントを投稿