前裾部分
全体図
前の着姿
右後袖 こぶし柄
ちょうど1年ぐらい前、重い(柄の多い)訪問着を3枚依頼されました。
2枚は以前に作った柄を、1枚は新しく
ここ数年、重い柄の訪問着を作っていませんでした。
着物自体の依頼も少なく、帯とか小物が多くなったことが理由のひとつです。
昔若い頃は着物の形をした大きなキャンバス感覚で作っていました。
着ることよりも飾ること、着て美しく飾って観ごたえある美しいものをという想いから、ずいぶん無茶なこともしたように思います。
「着る」という意識が「観て楽しむ」という意識よりも強くなった時、重い訪問着は着る人を美しく見せなく思えて、柄を描くことができなくなったように思えます。
3枚の依頼の2枚は、とりあえず昔の柄で下図があったので早い段階で仕上がりましたが、残りの1枚が描けない。
図案が思い浮かばないのです。着物という形で表現したいものがみつからない。
いくつか描いてはボツにして、横にしばらく寝かせてやっぱりボツにして・・・。
結果、昔作った「こぶし」 の柄を裾部分だけアレンジして、やっと仕上がったのがこの着物「早春」です。
「こぶし」の柄は前面「こぶし」で埋めましたが、この柄は裾にシラネアオイの花を配置しピンクを入れました。
地色も写真ではうまく出ていないのですが、薄い少し渋めのピンク地に色を変えました。(裾と肩は薄い紫グレー)
もう大胆な着物描けないかなぁって思いが制作中ずっと続いていて、なんとか着物の形に仕上がったのはホッとしますが、本当にしんどい1枚でした。
結局、まったくの新しい柄はできませんでしたが、次はまた一から ボツ図案にしないようがんばろう。
結局、まったくの新しい柄はできませんでしたが、次はまた一から ボツ図案にしないようがんばろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿