40年以上前のYAMAHAです。
小さい時に(小学校入学前後)ピアノを習い始めて、両親に無理言って買ってもらいました。
高価な物を買ってもらったのに、ご多分に漏れず、ピアノの練習が嫌で早々にギブアップ。
充分に使われないままに実家の飾りになっていたのを、娘が生れた時に金沢に持って来ました。
習い事が苦手な娘は、独学でピアノで遊び、うまくはないけれど、今でも楽しそうに好きな曲だけ弾いています。
バイエルとかソナチネとか基礎にこだわらなかったら、上手にならなくともずっと楽しく好きでいられたでしょうか。
まったく指が動かない私は、今ではピアノを触りたいとも思わない。
そんな古いピアノですが、娘が弾き始めた時から年に一度、調律をしていただいています。
初めにお願いした時が7月の暑い時だったので、毎年この暑い中、1時間以上かけて、音を調節してもらいます。
綺麗に整った音は、なまくらな私の耳にも心地いい。
調律が終わって、調律士さんと古いピアノのお話をしました。
1ヶ月ほど前に、古いピアノの鍵盤と弦を全部張り替えるお仕事をしたそうです。
象牙の鍵盤で、一つずつ鍵盤に貼られた象牙を外して新しい鍵盤に貼り付け、弦も新しい物に取替える作業です。
ピアノ本体の材質がいいことと、今では象牙の鍵盤は手に入らないので、丁寧に修理して生き返らせたそうです。
2人がかりで5日かかったとか・・。
そういった古いピアノの修理はほとんどないので、すごく大変な仕事で疲れたけれど、いい勉強になったと言われていました。
音の調律だけでなく、ピアノの修理までしてしまうんですね。すごいなぁ。
そして、疲れたといいながら、なんだか目がキラキラ楽しそうなんです。
弦を張り替えて調節していると、徐々に音が生き返ると言っていました。
私もそうですが、職人さんって、手のかかることが好きなんですよね。
調律士さんが帰ると、綺麗にクリーニングしていただいたピアノの上に、さっそくマーキング(?)
白を背景に白いやつが、黒を背景に黒いやつが、自分のなわばりを主張していました。
「わたしのピアノ!」冷たくて綺麗で気持ちいいー。
そういえば、NHKのカーネーションで、「ピアノ買うてぇー」ってシーンがありました。
若い脚本家さんが、あんなにリアルな台詞の表現よくできるなぁって感心したものでした。(私にとってリアルだっただけかもしれませんが・・)
それにしても、ピアノといい本といい・・・新しい物よりも古い物が多くなっているのは、住人が古くなっているからでしょうね。
思い出とともに捨てることができずにいるものが場所をとっているようです。
「断捨離」って、無理かも・・・。
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