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もう少し他の本も読んでみたくなって、古本屋さんで「パレード」を買いました。
「パレード」 吉田修一
幻冬舎文庫
2002年
10年前ですね。
川上弘美さん(「蛇を踏む」「センセイの鞄」 など)が書かれている解説で、すべて言い表されていますが、まったく同感です。
「こわい小説だ。・・・略・・・」
何がこわいって、
「普通であるのに普通でない・・。」
「こんな人近くにいるよねと思われる人が、心の底にそれぞれゆがんだものをかかえていて、お互い深入りしないで共同生活している」
「知っているのに黙っている。秘密を知っていても知らなくても、何ひとつ変わらず続く日常。」
うまく書けないけれど、普通の人や生活のリアルさがこわいんです。
都内の2LDKマンションに暮らす男女四人の若者達。
「上辺だけの付き合い? 私にはそれぐらいが丁度いい」。
それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、「本当の自分」を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。
(裏表紙の解説より)
以前に読んだ吉田修一さんの本は、すごくハードボイルドでした。
パレードは、短編集に近い印象です。
本当にいろいろな分野が描ける作家さんですが、とても力強く魅力的な文章で、ぐんぐん本の中に引き込まれていきます。
好き嫌いはあると思いますが、個人的にはとてもおもしろい本でした。
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