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2012年5月25日金曜日

「円朝の女」

今月、文春文庫の新刊で出た、「円朝の女」 松井今朝子著を読みました。



帯に書かれているフレーズが、

惜しい女、
堕ちる女、
尽くす女、

落語会のスーパースターと
彼を愛した五人の女が
生き生きとよみがえる!


江戸末期から明治維新・文明開化の時代。
松井今朝子さんが描く吉原は、とても生き生きしていて、明治の価値観の大変化がリアルな映像とし文章から浮かびます。
この本は、さまざまな女の生き様と、時代の流れがおもしろい。





「銀座開化おもかげ草紙」も同じ時代です。

瓦斯灯の明るさ(明治以前は夜は暗く、提灯を手に足元を照らしながら夜道を歩いたんですよね)
煉瓦の冷たさ(煉瓦の家はほとんどなかった)
細かい丁寧な描写から、生々しい温度を感じました。

女の人が描く「女」と、男の人が描く「女」と、やっぱり違いますね。
私見(偏見?)ですが、男の人が描く「女」はどこか観念的で綺麗すぎたり、生々しすぎたりする気がします。
松井さんの「いい女」は、淡々としててすごく粋でかっこいい。
好きな作家さんです。

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