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2012年2月19日日曜日

ろうけつ染の講習会

金沢市クラフト政策推進課(伝統工芸品産業の振興・援助)主催の加賀友禅技術振興研究所「ろうけつ染実技講演会」なる催しに参加しました。 ・・・肩書き長い・・・

京都の日本工芸会正会員・伝統工芸士の 吉田 喜八郎さんを講師に迎え、朝10時~4時30分ごろまで、ほぼ1日かけて、蝋の使い方を詳しく教えていただきました。

参加者は、加賀友禅の関係者、大半が作家さんです。
ろうけつ染を何らかの形で着物や友禅に使えないかと、みなかなり真剣で、質問も飛び交い、密度の濃い講演・実技でした。

講師の吉田さんも、とても丁寧で、技術を出し惜しみする事無く、誠実な物作りをする方です。
今日使った蝋・道具を少し紹介しますね。


上  パラフィン
下  HMワックス

蝋の種類は12種類以上、用途に応じて様々だそうです。
今回は、使いやすい組み合わせ、パラフィン : HMワックスが6 : 4の割合で溶かしていました。
パラフィンは少し透明感があって、はがれやすく、われやすい蝋です。
HMワックスは、白い蝋で、粘度があり、夏場はねばねばします。(精錬されていない黄色いHMワツクスもあるそうです)

防染力の強い蝋は、蝋伏せや堰出し(せきだし・・・柄のまわりを防染)に、
防染力の弱い蝋は、ろうけつ染の一手法である亀裂を入れたりするのに適しています。


 上  蝋を溶かしたホーロー鍋
下  吉田さん使用のてんぷら用鍋

参加者が使ったホーロー鍋には、十字に針金を渡してあり、この針金で蝋筆の先を整えるようになっています。
鍋底や側面に直接筆が触れると、温度が高くなっているので、筆先が焼けてしまい筆が使えなくなってしまいます。(細い線や細かい作業ができなくなります)

下は、電気屋さんで売っている電気式てんぷら鍋です。
ホーローよりも温度調節がし易く(冷めにくい)、ふた部分で筆先を整えられ、とても使いやすいらしいです。
どちらも、染織用器具ではありませんが、使い勝手がいいようにそれぞれ工夫していますね。


 吉田さんの彩色したカトレア図(見本)

茶色の部分は蝋伏せしています。(途中)
柄全部の上に蝋を置いて防染し、上から地色を染めます。


連筆

蝋ふぶき・まき蝋
この連筆に少し高温の蝋をつけて、ガラス棒をトントンとたたいて、筆についた蝋を細かいしぶきにして生地に撒きます。
綺麗に広く均一に撒けるように、筆の先を少し焼いてちりちりにしたり、まとめた筆全体を山型の曲線をつけたり、工夫されています。


蝋はおもしろいですね。
でも、終わってから、しっかり髪に蝋の臭いがついていました。
なんとなく、手も顔もつるっとしているし・・・・。

蝋を使うと部屋がつるっつるっになりそう。

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