縮緬地に椿柄を染める
裏はブルーグレーの縮緬
柄のアップ
横縞羽織地
裏は絞り柄入りのかなり綺麗な濃いピンク
数年前からオークションで買い物をするようになりました。
正絹の古い着物がメインで、1000円とか2000円とか、信じられない値段です。
届いた着物は、状態を見て、そのまま着物として使用できそうなら手入れします。
着るにはちょっと汚れが気になるものは、解いて洗って、小物を作ります。
「洗い張り」というにはちょっと乱暴ですが、水につけて優しく洗って干し、湯のしは自宅でできないので、アイロンをかけて伸ばします。
なにしろ安価で購入しているので、かなり大胆になりました。
そんな風にして正絹のいろいろな種類の生地を洗っていると、生地の縮みや質感を本や文章の中での知識ではなくて、体感・触感として経験できました。
例えば、すごく縮みやすいのは、お召し。
縮緬でも縮みやすいものとあまり縮まないものと・・・。
錦紗も縮みますね。
あまり縮まないものは、紬、銘仙・・・。
紬は、縮みにくいけれど、注意しないと「しわ」が取れにくいとか・・・。
生地によって特色があります。
また、着物を解いて一反の生地に戻す作業でも、いろいろなことが見えました。
古い着物ほど、何度も解いて洗い張り仕立て直ししたものが多く、裏から当て布をして弱くなった部分を補修していたりします。
よく見なければ表からはわからず、昔の人の物を大事に使う「もったいない精神」に感心します。
着物の構造も(和裁の縫い方)も、かなり知識が増えた気がします。
前置きが長くなりましたが、上の写真は着物や羽織の一番長い部分(肩山から裾までの身頃部分)で作ったショールです。
着物を解いて、たっぷりある生地で何を作ろうか。
まずは一番長い部分で、直線にそのまま縫ってショールができるなぁ。
表地と裏地の色を考えるのは、着物と八掛や小物の色合わせに似ています。
1枚目と2枚目のベージュ地は、友禅の松の柄が描かれていました。
とても変な色で、助剤の糊が多かったのか柄部分が硬くごわごわしていました。
柄が少なかったので、思い切ってその部分を切り取りました。
地色のみにしたら少し地味になったので、椿の柄を描き足して。
裏地にブルーグレーの縮緬を合わせて少しお洒落になったかな。
3枚目は赤紫がかった茶色の縞柄羽織でした。
裏地のかなり派手目の濃いピンク地は、部分的に白い絞りが花のように散っています。
この生地は汚れがひどかったのですが、なかなかない派手さで気に入っています。
この写真以外にもたくさん作りました。
残念ながらあまり手元に残っていません。
私は「作り手」で、お洒落に敏感ではありません。
流行にもうとい。
こういった古布で作ったショールはとても軽くて暖かいのですが、洋服に合わせてみると素敵に見えるのかどうか、よくわかりません。
今年はポンチョが流行っているらしいですね。
どうも古くさく見えて困ってしまいます。
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